リフォームを検討し始めた時に飛ばしてしまいがちな「要望をまとめる」というステップ。
面倒なので「どんなリフォーム」をしたいかは曖昧なままに見積もり依頼をしてしまってはいないでしょうか?
相見積もりを取ったり複数のメーカーでプランを作る際、必ず「ヒアリング」というものが行われます。
理想のプランを話していくので大変楽しいステップなのですが、どこに行っても毎回同じ話をしなければならず、相見積もりが億劫になってしまい比較せずに決めてしまい失敗したというケースは思ったよりも多いものです。
きれいにはなったが気づいたら不便で改善したいと思ったことは改善されなかったというのでは折角のリフォームがもったいないですね。
これらの失敗を未然に防いでくれるのがリフォーム要望書づくりです。
住まいの不満や不安を洗い出しリストアップしよう
折角のタイミングですので、家での生活の中で不満に思っていること・不安なことをリストアップしてみましょう。
外装(一戸建て) | 内装・設備 |
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屋根材が欠けている 外壁にひび割れがある シーリングが切れてしまっている 鉄部に錆が発生している | 床鳴りがする 給湯器が定期的にエラー表示が出る 窓や壁に結露が生じる 浴室のカビが掃除しても綺麗にならない |
上のリストでは家全体についてまとめていますが、リフォームを希望している部位で作ってみてください。
キッチン |
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皿を乾燥させる場所が少ない 家電収納が収納できるスペースがない 上部収納が高すぎて活用できない レンジフードが油でべとべとしていて掃除したくない 浄水器を使わないので撤去したい 全体的にワークスペースが狭い |
キッチンの例ですが不満リストを書いていくと機器交換で満足できる可能性もありますし、キッチンを新しくする際には必要な設備と不要な設備が浮き彫りになってきます。
この先10年の住まいの要望をリストアップする
住まいへの不満な部分を書き出した後は、プラスアルファで新しい住まいに要望することをリストアップしていきます。
まずはこの先10年間の生活に対して求めることをリストアップしてみるといいでしょう。
リノベーションをする際には直近10年間を念頭に置きつつその先20年くらいの生活に関しても大まかなライフスタイルの変化を考えてみるといいでしょう。
住まいの要望リスト |
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家族で料理ができるキッチンが欲しい できるだけ洗い物や掃除は時短できる生活にしたい 孫とお風呂に入りたい リモートワーク用の書斎が欲しい リビングダイニングを開放的な空間にしたい エアコンなどのエネルギー効率のいい家にしたい 部屋を減らして広い空間を作りたい |
リストアップシートがあれば、シートをもとにヒアリングが進むので同じ質問を何度も受けることは少なくなりますし、より深堀した内容の話に時間を使うことができるのでより希望に沿った提案を受けることができるはずです。
要望を図面に希望を書き込もう
リストアップシートで自分や家族の要望が目に見える形になっているので、要望をまとめながら図面に書き込んできましょう。
リフォームにはできることできないことがありますので決め打ちでプランを作ってしまうと実現できないと分かったときにリフォーム自体が嫌になってしまうことがあります。
大まかな希望を図面に書き込んでいけばオッケーです。
一度見える形で作ってしまえば見積もり依頼やプランニング依頼をするときに話ができますし、できることできないことをプランナーに書き足してもらえばどんどん要望がブラッシュアップされていきます。
予算と優先順位を明確にしておこう
リストアップや図面への書き込みを終えてそのまま相談に行ってしまうと必ず予算オーバーという問題に直面してしまいます。
そのため相談に行く前には必ず予算を決めて、さらに自分たちの中で優先してお金を掛けたいと思う順位付けをしておかなければなりません。
こちらの記事に大まかな予算感を載せていますので参考にしながら予算を立ててみてください。
この記事にも書きましたが工事費用は準備ができる総予算の8割ほどで設定し提示することをお勧めします。
プランニングをお願いした場合ほとんどの業者は予算を少し超えるくらいで出してくることが多いですし、欲しいオプションを追加した場合には費用が追加でかかってくる可能性が高いです。
また、余裕をもって予算内でできる場合でも予算額に合わせて見積もりが出てきてしまうこともありますのでまずは8割の予算で提示をしてみてから内容を詰めていく方が理想に近いプランに落ち着くことが多いです。
順位 | 場所 | リフォーム内容 | 希望の設備・内容など |
1位 | |||
2位 | |||
3位 |
各部位ごとに優先順位を決めて譲れないことや希望設備などは記載しておくようにしましょう。
すべてに満遍なくお金をかけるリフォームもよいですが、自分が譲れない箇所に集中してお金をかけた方がリフォーム後の満足度が高い傾向にあります。
優先順位が決まっていればプランニングの時に思っていたのと違うということや、予算内ではできないと突っぱねられてしまう可能性もぐっと下がります。
希望する雰囲気を伝えるためには雑誌や画像の収集をしておく
「完成してみたら思っていた雰囲気と違う」ということはリフォームではよくあるクレームの一つです。
この原因は施主とプランナーの頭の中で思い描いているテイストや雰囲気を一致させることが難しいからでもあります。
身近なことでイメージしてみると美容院が近いと思います。希望の髪型を口頭で伝えたにもかかわらず「思っていたよりも短い」「ボリュームが思っていたのと違う」ということは少なくないはずです。
イメージを限りなく近づけるためにはビジュアルでイメージを共有することが重要です。
雑誌やテレビ、カタログなどでこんな雰囲気の家にしたいなと思ったことはないでしょうか?
そのようなものに出会ったときにはぜひスマホで写真を撮っておくことをお勧めします。
昔はスクラップブックを作ることをお勧めしておりましたが今は便利な時代なのでスマホで画像を撮っておけばすぐに共有ができます。
また依頼を検討している会社の施工事例を確認して希望のテイストが多い会社を選んでおくというのもおすすめです。
事前に気に入った施工事例を伝えて同じプランナーに相談したいと伝えることができれば好きなテイストの施工ができる可能性が高まります。
まとめ
以上が要望書の作り方と作っておきべき理由です。
一度作ってしまえば今回リフォームを見送ったとしても次回リフォームを検討する際に内容を変更しながら活用することもできます。
作っておいて損になることはありませんので相談をする前にぜひ取り組むようにしてください。
①住まいの不満や不安を洗い出しリストアップしよう
②この先10年の住まいの要望をリストアップしよう
③要望を図面に希望を書き込もう
④予算と優先順位を明確にしておこう
⑤希望する雰囲気を伝えるためには雑誌や画像の収集をしておこう